「不動産や事業で損失が出たときどうしたらいいのだろう……。」と不安になったことはありませんか?
そんな時に役立つのが「損益通算」です。
聞き慣れず難しく感じるかもしれませんが、簡単にわかりやすく解説していくので安心してください。
今回の記事では、
- 「損益通算」について
- 「損益通算」の計算方法
- 損益通算とは少し違う「内部通算」
について説明します。
この記事を読めば、事業などで損失が出た時にどのように対処していけばいいか分かるようになるでしょう。
損益通算とは
所得税は3つの課税グループに分かれていて、所得の黒字と赤字を相殺できるようになります。
損益通算は、確定申告する必要があるので忘れずに申告しましょう。(一部不要)
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計算するタイミングは「所得控除をする前」です。
損益通算できる所得の種類
この10種類の内4つの赤文字が、「損益通算」できる所得です。
所得税には「3つの課税グループ」と「10種類の所得」があります。
覚え方は、「富士山譲」(ふじさんじょう)です。譲渡所得の土地建物と株式は対象ではありません。
損益通算は少し難しいですが、うまく活用できれば納税額を節税する事ができるので、確認していきましょう。
損益通算の計算の順番
①総合課税グループの不動産所得と事業所得の損益通算
利子所得(別グループだけど可)・配当所得・給与所得・雑所得から「不動産所得と事業所得」の損益通算ができます。(1次通算)
このように、雑所得と損益通算することで課税所得を減らすことができます。
②総合課税グループの譲渡所得の損益通算
譲渡所得は「一時所得」と損益通算できます。※譲渡所得が損失を出した時のみ
一時所得と損益通算してもまだ180万円の損失がある。しかし、一時所得の利益は相殺されてなくなったので、一時所得に対する課税もありません。
また、譲渡所得には「短期」と「長期」に分かれています。
- 「総合短期譲渡」とは、所有期間が5年以下で土地建物以外の資産の譲渡
- 「総合長期譲渡」とは、所有期間が5年超で土地建物以外の資産の譲渡
③不動産所得・事業所得と譲渡所得の総所得同士で損益通算
ここからは、他の課税グループと損益通算をしていくため「2次通算」になります。
不動産所得と事業所得(以下「①」)の損益通算後、総合譲渡所得と損益通算する場合、差し引いていく計算手順が決まっているので間違えないように注意しましょう。
譲渡所得には、総合短期譲渡所得と総合長期譲渡所得の2種類があります。①と損益通算するときは「総合短期譲渡所得」から優先して引いていきましょう。
計算手順:①ー「総合短期譲渡」→「総合長期譲渡」→「一時所得」の順に差しい引いていきます。
④山林所得の損益通算
①〜③で損益通算してもなお損失がある場合は、「山林所得」と損益通算します。ここから「3次通算」になります。
⑤退職所得の損益通算
それでもまだ損失がある場合は、「退職所得」と損益通算します。
①から⑤で損益通算してもまだ損失がある場合は「純損失」となり、青色申告の場合は「純損失の繰越控除」が可能となります。
今回の例題の場合は、−30万円が純損失です。
参照:国税庁
損益通算の対象とならない損失
- 生活に必要ではない資産の譲渡損失ーーゴルフ会員権、別荘、絵画、宝石など
- 不動産所得の損失のうち、土地等の取得するための借入金利子
- 株式、土地建物等の譲渡損失
- 「上場株式等の譲渡損失の損益通算の特例」ーー上場株式等で譲渡損失がある場合、「配当所得」(申告分離課税を選択した場合のみ)と損益通算できます。
- 「マイホームの買い替え・売却で損失がでた場合の特例」ーー青色申告・白色申告にかかわらず特例が適用されます。
- 「マイホームの買い替えの譲渡損失」の場合、損益通算と繰越控除が可能(※要件あり)
- 「マイホームの売却で譲渡損失」がある場合、損益通算と繰越控除が可能(※要件あり)
内部通算
「内部通算」とは、同じ所得内での黒字と赤字を相殺することです。他の所得や課税グループと相殺できる損益通算とは違います。
どの所得でも同じ所得なら内部通算でき、2021年8月現在は特に内部通算できない損失についての決まりもないです。
まとめ
今回の記事では、損益通算の概要について解説しました。
全部を理解するのは難しいかと思いますが、損益通算できると節税に繋がり、無駄な税金を払わなくて済みます。豊かな生活の第一歩になります。
どの損失に当てはまるのか分からない場合は、税理士さんに早めに相談することをおすすめします。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
参照:国税庁
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